目にキズがついたという場合、大半は角膜のキズを指します。
角膜は5層構造からなり、表面から角膜上皮・ボウマン膜・実質・デスメ膜・内皮という順に重なっています。上皮層は皮膚表面と同様に、活発に分裂をして、細胞が常に新しく置き代わるサイクルを繰り返していますので、キズの修復はとても早く、軽いキズならば一晩で治ってしまいます。コンタクトレンズでついたキズや、目にゴミが入った場合の角膜のキズの多くは、この上皮層の浅いキズですので、無理にコンタクトレンズ装用を続けたりしなければ、数日以内に治ります。
無理なコンタクトレンズ装用、あるいはやや深い怪我によりボウマン膜を越えて実質に傷害が及んだ場合には、目の中の炎症も惹起され、治癒に時間がかかります。それでも一時的な傷害であれば、1週間以上かかることはめったにありません。
コンタクトレンズ装用者や、ドライアイの方で毎回キズがあるといわれる場合、その多くは毎日新たなキズが生じているものと思われます。つまり、治るそばから新たなキズが生じている、ということです。軽いキズであれば大きな問題はありませんが、慢性的にキズがあると将来問題が生じる場合もありますので、適切な治療やコンタクトレンズ管理が必要になります。
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